素敵な詩を見つけた。
最低にして最高の道 高村光太郎
もう止さう。
ちひさな利欲とちひさな不平と、
ちひさなぐちとちひさな怒りと、
さういううるさいけちなものは、
ああ、きれいにもう止さう。
わたくし事のいざこざに
見にくい皺を縦によせて
この世を地獄に住むのは止さう。
この世の抜駆けはもう止さう。
さういふ事はともかく忘れて
みんなと一緒に大きく生きよう。
見えもかけ値もない裸のこころで
らくらくと、のびのびと、
あの空を仰いでわれらは生きよう。
泣くも笑ふもみんなと一緒に
最低にして最高の道をゆかう。